宇宙科学プロジェクトSpace Science Project(SSP)
航空宇宙工学(Aerospace Engineering)とは、航空工学と宇宙工学の総称であり、航空機と宇宙機の設計・製造技術が対象になります。宇宙機には、地球周回の衛星(Satellite)と惑星間空間(深宇宙)を飛翔する探査機(Spacecraft)がありますが、近年、「はやぶさ」などの深宇宙探査機による太陽系探査が盛んになり、SpaceX社などの民間宇宙ベンチャーによる有人月・火星探査も急速に現実味を帯びてきました。
一方、観測技術の向上やその場探査により、流星・小惑星・彗星などの太陽系小天体の起源・進化・繋がりに関する理解も飛躍的に進歩しています。宇宙科学(Space Sciences)とは、天文学、惑星科学、宇宙工学、宇宙生物学、太陽地球系物理学の総称で、近年は各分野の枠組を越えて発展している学際分野です。
航空宇宙工学を学びつつ宇宙科学の知見を広めることは、理工学の広い視点を身につけることに繋がります。
SSPの取り組み
「宇宙科学プロジェクト(Space Science Project; SSP)」は、航空宇宙工学科の授業では学べない宇宙科学に関する活動に取り組みます。宇宙科学の知識をゼミなどを通して学びながら、主に「流星観測システム」の開発と観測、望遠鏡を用いた「天体観測」、VRを用いた「宇宙コンテンツ」の開発などに取り組めます。
流星などの高速・短時間天体現象を捉えるための光学観測システム、電波観測システムや気象監視システムを開発します。屋外の全天候で動作するカメラ・制御系システムと電波アンテナ観測システムを構築する「ハードウェア班」と、流星などの高速現象を自動検出するソフトと気象・環境計測機器の制御ソフトの開発を行う「ソフトウェア班」に分かれて、協力しながら進めていきます。
VR宇宙教育用コンテンツの開発を行う「メタバース班」は、Unityなどの開発ソフトを用いてVR、AIの融合による仮想宇宙空間を実現しようという全く新しい試みです。この取り組みは単に1大学の研究室にとどまらず、VR宇宙旅行社、㈱ALE、国立天文台などとも協力して、ユニバースとメタバースの融合世界を目標に活動を行っています。