飛行ロボットプロジェクト
大学における学生の「航空工学教育」と「ものづくり教育」の実践をめざし、2006年から日本航空宇宙学会主催のもとで「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」が開催されています。このプロジェクトでは、大竹研究室が中心となって大会への出場、そして優勝を目指す学生の皆さんをサポートしています。
大会の基本ルールは、参加するチームのオリジナルな設計・製 作による無線操縦可能な模型飛行機を室内で飛行させて、参加部 門ごとに規定されたミッションの達成度の優劣を競うことで勝敗が決まります。また、製作した模型飛行機の特徴を説明するポスターセッションや、機体のデザイン性・オリジナル性なども評価の対象となります。
航空宇宙工学科からは、第1回大会から学生有志が大会に出場し、これまでに優勝を含め多くの好成績やベストクラフト賞などを 受賞しています。
全日本学生室内飛行ロボットコンテスト
2006年に第1回大会が開催されたこのコンテストは、災害地域や人が立ち入ることができない危険区域などの閉鎖空間において、 様々な機能を持った飛行体(小型無人飛行機や飛行船)による救 援活動や情報収集をテーマに、学生を対象とした実践的な航空工学教育の実現をめざして始まりました。
大会開始当初は、体育館ほどの室内を無線操縦で飛行可能な模型飛行機の製作が難しく、各チームとも試行錯誤を繰り返していました。このころは、飛行中に地上の様子を超小型の無線伝送ビデオカメラで撮影し、文字を判読するミッションなどもありました。近年では、競技エリアを島しょと見立てた、飛行機での救援物資輸送をテーマとしています。
現在では機体に搭載できるモーターやバッテリーなどの性能が 格段に向上したため、機体の設計・製作における制約が少なくなり、高性能な機体やユニークな機体(ユニーク部門)の実現、マイコン搭載による自動操縦飛行(自動操縦部門)も可能となりました。また、最近の大会では、マルチコプタ(いわゆるドローン)による競技(マルチコプタ部門)も行われています。
飛行ロボットコンテスト出場機体の特徴
大会に出場する機体は、“オリジナルに設計された機体” であり、かつ屋内という比較的狭く限られた空間の中で飛行し、規定されたミッションを達成する必要があります。そのため、機体には以下のような機能・条件が求められます。
- できるだけゆっくり飛ばすことができる
- 操縦性が良い
- ミッション達成に必要な機構(物資投下、回収、マイコン)
- 自重の制限:一般部門200g以下、自動操縦部門250g以下
このように様々な要求がありますが、機体設計の概念は通常の航空機の設計と基本的に同じです。いかに軽く、壊れず、飛ばすことができる機体を設計・製作できるかが重要です。また、“思い通りに操縦・飛行できること” も重要です。そのためには、飛行試験を繰り返し完成度を高めていきます。
大会に出場した機体の中からは、製作の上手さやデザイン性において秀でた機体には、ベストクラフト賞が贈られます。