電離圏変動現象を探る!
2022年2月1日
これまで大地震の先行現象として力学的現象(前震,地殻変動など)や地球化学的現象(地下水,ラドンガスなど)などが報告されてきましたが,近年,地震発生の時間的・空間的相関が特に高いとみられる電磁気学的現象(電離圏電子密度変動)が有望視されています.山崎研究室では,国内外の研究機関と連携して電離圏の変動現象をとらえる超小型の人工衛星(Prelude-Sat)やドローンや気球を用いた観測システムの設計・開発と観測,AIのアルゴリズムを開発し,先行変動現象をデータの中から見つける研究を行っています.宇宙・社会システムの工学設計から理学データの解析まで超小型観測機を中心に幅広く理工学の知識を活用できることが特徴です.
2022年1月15日ー16日には,電離圏変動現象班がドローンを用いて高度毎のラドン濃度分布と大気電場装置を製作し地震活動が活発な能登半島の金沢大学里山マイスター能登学舎にて実験を行いました.早朝から日没頃まで,計測機器の校正,ドローンへの取り付け,観測など大学院生と学部生のチームが実施.丸二日間,雨・雪が降っても,計測データの変化と物理現象との関係を考察する学生さんの姿はとても頼もしかったです.
今後も,このような実験により高度毎の大気中ラドン濃度の変化を明らかにすることなど,地上観測,航空観測,宇宙観測の様々な面から電離圏の電子密度上昇の物理メカニズムを解明したいと考えています.