宇宙空間で自律するロボットの『デザイン』―1―

2021年10月27日

地球で起こる様々な自然現象(地震や津波など)の理解のために,地上での観測に加えて稠密な宇宙からの視点(地球観測)を取り入れ連動させることが期待されています.

電離圏電子密度変動を観測する超小型衛星群のイメージ(詳細はこちら

本学科では,そのような宇宙からの新しい観測を実現するために,人の手が届きづらい宇宙空間で自律する超小型のロボット(=超小型宇宙機)を『デザイン』(=設計)を行っています.形状はもちろんのこと,人の手を借りずに自律して生き残り,目的(=ミッション)を達成するために必要な機能すべてを設計し,開発し,評価し,運用し,利用するに至る一連を学生・スタッフが協力して実施中です.

この記事では,超小型の宇宙機の研究開発の様子の一部をご紹介します.

修士1年Yさん:「宇宙機の形状をどのようにしたら使いやすさを担保したまま,打ち上げの環境下に耐えられると思う?」(超小型の宇宙機の試作機を持ちながら)

修士1年Iさん:「構造的にここが弱くなったね.どうゆう荷重を想定した?」(構造形状のコンピュータシミュレーション結果を見ながら)

航空宇宙工学科では,宇宙を活用する超小型の宇宙機器の設計・開発・運用を学び・経験することができます.例えば,『4力学(熱や流体や材料や動力学)』『設計製図(設計のための言語)』『航空宇宙工学実験』『コンピュータシミュレーション(仮想空間での評価・検討)』『宇宙機設計』という講義があり,ベースとなる学問から応用に至るまで座学・実習で学ぶ機会があります.また,複数の研究室で宇宙機の搭載機器や宇宙機の設計・開発・運用にかかわる研究も行っており実践的に宇宙システムの『デザイン』を学ぶことができます.