児玉 瑞季さん
vol.01

地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しい

児玉 瑞季 さん
航空宇宙工学科2年生(2021年6月時点)
東京都立竹早高等学校出身

航空宇宙工学科に進学したきっかけは?

元々、宇宙が好きだったということもあり、航空宇宙工学を学べる大学を調べてヒットしたのがきっかけです。小学生の頃に『宇宙兄弟』という漫画を読んだり、はやぶさの地球帰還(※1)や金環日食(※2)があったりと、物心ついた時には宇宙が好きで身近に感じる存在になっていました。また、高校生の頃には調布や相模原、筑波などのJAXAの特別公開(※3)にも足を運んだのですが、特に筑波宇宙センターの人工衛星の展示を見て実生活に役に立っている衛星がたくさんあることを知り、自分もこういった衛星や宇宙開発に携わりたいと思うようになりました。

地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しい

大学生活をどのように過ごしている?

基本的には大学の課題に取り組んだり、塾講師のアルバイトをしたりして過ごしています。塾講師のアルバイトでは自身が予備校に通っていた経験を活かし、どうしたら分かりやすく教えられるかなどを考えている時はやりがいもあり楽しいです。
去年のコロナ禍では、大学への入構が難しくなり同じ学科の人達となかなか交流ができませんでした。私の所属する航空宇宙工学科では、その状況を改善するため、教員1名と学生8名程度のグループ面談を定期的に行いました。一緒に遊びに行ったり、電話で難しい課題を一緒に取り組んだり、グループ面談を通して仲良くなった友人とは今でも仲良く過ごしています。

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航空宇宙工学科での学びについて

2年生になり本格的に実験や製図、4力学(※4)の授業が始まったことで、忙しい日々を送っています(笑)。授業は講義系の科目と実験実習系の科目があって、講義系の科目は4力学のように講義を受けて演習で問題を解く授業になっています。科目によっては毎週課題や小テストがあったりして、それらが成績に反映されるので毎回手が抜けないですね。実験実習系の科目は実験や製図のことで、実験をするための予習レポートを作成したり、実験の結果を最終レポートにまとめて審査を受けたりします。工作技術センターの工作機械を使って実際にモノを作る授業もあります。製図の授業では手書きで図面を完成させるのですが、3D CADなどのソフトはあえて使わず、手書きで図面を仕上げることで、製図の基礎を固めることができたと思います。

地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しい

日本大学航空宇宙工学科の魅力は?

徹底的に学ぶ4力学を中心とした基礎固めと実験や製図などの実習科目から構成される今のカリキュラムはしっかりしていると感じます。また、航空宇宙工学工房演習(※5)や未来博士工房(※6)ではプラスアルファの活動もできるので、自分の興味とやる気次第で、できることの幅が広がる今の環境はいいなと思っています。例えば、私は未来博士工房の衛星開発プロジェクトに参加していて、「CanSat(カンサット)」というものを作っています。CanSatとは、空き缶をベースに作る模擬人工衛星のようなもので、気軽に作れて衛星開発の基礎を学べる教材になっていたりもします。私たちは3月に開催される種子島ロケットコンテストのCanSat部門への出場を目指していて、3年生の先輩と一緒に7人程のグループでマイコン(※7)の勉強を始めたり、CanSatの構想を検討し始めたりしています。

地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しい

将来の目標・夢は?

人工衛星に興味があって入学したので、将来的には人工衛星を作りたいなとは思っています。今もそうですがこれからは民間企業がどんどん宇宙に参入して、衛星やロケットなどの打ち上げと一緒にデブリも増えてくるのが問題になるのではないかと思っています。そういったデブリを除去する衛星やシステムの開発、研究ができたらいいなと思っています。地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しいです。

地球との関わりが深い宇宙開発に携われたら嬉しい

入学を目指す高校生へ

私は大学受験での勉強の蓄積が大学の授業で生きているなと感じています。大学受験のために一生懸命頑張った勉強が大学で無駄にならないですし、むしろすごくプラスになっているので、いま目の前の勉強と向き合って、一生懸命頑張ってほしいなと思います。

  • ※1
    はやぶさ:小惑星イトカワの探査、サンプル採取を行い、2010年に地球帰還した小惑星探査機。当学科の阿部新助先生は、はやぶさの開発、運用、地球帰還に携わり、大気圏突入の際の「はやぶさおかえりー!」の声の主でも有名。
  • ※2
    金環日食:2012年5月21日に日本でも観測された日食。
  • ※3
    JAXA特別公開:年に一度、通常では見ることができない施設を一般公開し、見学できるイベント。研究プロジェクトの紹介などもあり、学科の教員や学生がスタッフとして参加することもある。
  • ※4
    4力学:工業力学、材料力学、流体力学、熱力学を4力学と呼び、ほとんどの航空宇宙工学の専門科目に関係し、それらの基礎となる科目。
  • ※5
    航空宇宙工学工房演習:研究室ごとに取り組むテーマが分かれ、半期の間研究室に所属して教員や大学院生、上級生との交流を通じて、航空宇宙工学の実践を学べる(選択)専門教育科目。
  • ※6
    未来博士工房:理工学部には7つの工房があり、航空宇宙工学科では航空宇宙工房を担当している。航空宇宙工房では人力飛行機を代表するような6つの活動を行なっており、普段の授業だけでは物足りない、もっと何かがしたい、と思う学生向けに課外のプロジェクト活動を通じて授業以上のことを経験できる場として開設されている。
  • ※7
    マイコン:マイクロコンピューターの略で、限定的な機能を有した電子部品。様々な機能を持ったマイコンがたくさんあり、マイコンを組み合わせることでCanSatのような複雑なシステムを作ることができる。
<参考文献>
  1. https://koyamachuya.com
  2. https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse-list.html
  3. https://www.isas.jaxa.jp/outreach/open_house/
  4. http://www.jaxa-rocket-contest.jp/contest/