vol.03

航空宇宙工学科1年生の学生生活ってどんな感じ?

大野萌恵さん,佐藤珠希さん,髙橋友恵さん,縮陽色さん,安野睦花 さん
航空宇宙工学科1年生(2021年10月時点)
大野さん:鎌倉女学院高等学校出身,佐藤さん:小金高等学校出身,髙橋さん:八王子実践高等学校出身,縮さん:日本大学豊山女子高等学校出身,安野さん:日本大学明誠高等学校出身

航空宇宙工学科に進学したきっかけは?

(大野):私は父が衛星開発をしていたことや,休みの日に筑波宇宙センターに連れて行ってもらったことがきっかけで宇宙関係の学科に行こうと思い始めました.筑波宇宙センターは受験前にも連れて行ってもらいましたね.
(佐藤):私も元々宇宙が好きで,家族に地元の科学館や筑波宇宙センターに連れて行ってもらったことがきっかけだと思います.また,私の父が日大の理工学部出身ということもあって日大の航空宇宙工学科に進学するきっかけになりました.
(高橋):私は中学生の頃,学校に物理学者の先生が講演に来てくださり,宇宙に関する興味深い話を聞いたことがきっかけで宇宙を好きになりました.特に日大の航空宇宙は学科の人工衛星開発の歴史をまとめたYouTube(※1)の動画を見たことがきっかけで気になり始め,高校2年生の頃に船橋のオープンキャンパスにも足を運び,受験することを決めました.
(縮):私も小さい頃に地元の科学館に連れて行ってもらったことや,若田光一さんの出身が地元に近かったことがきっかけで宇宙が好きでした.特にドラマの「下町ロケット」を見たことで,宇宙開発に携わりたいという思いや仲間と共に物作りをすることに憧れて,航空宇宙工学科に進学したいと思いました.
(安野):私は日大の付属高校出身でオープンキャンパスを見て周った時に,航空宇宙工学科という名前が目に留まり印象に残っていました.元々地元の横田基地に毎年行ったりプラネタリウムに行ったりと航空宇宙の分野に興味はあったので受験をしました.

航空宇宙工学科1年生の学生生活ってどんな感じ?

大学生活をどのように過ごしている?

(縮):高校とは違って大学では縛られることが少なく比較的自由な環境なので,自分の興味関心があることと向き合う時間が増えました.大学の授業をこなしつつ,未来博士工房(※2)の活動に参加したり,アルバイトを始めたりと充実した大学生活を送れています.授業の課題が多くて大変なこともありますが,そんな時は友達同士で情報交換をして,みんなで協力しながら,課題に取り組んだりもしていますね.
(高橋):私の場合は未来博士工房の活動一色って感じですね(笑).工房以外ですと2週に1回の写真サークル内での写真の発表会や日々の授業の課題などもあり毎日充実しています.また,大学に入ってから宇宙が好きな人が周りにたくさんいてすごく嬉しかったです.高校までは宇宙とか探査機の話をしても一緒に盛り上がれる人がほとんどいなかったので,今は大学の友達と自分の興味のある分野の話ができて本当に嬉しいです.
(聞き手)ちなみに皆さんはどんなアルバイトをしているのですか?
(大野)私は家の近くのマクドナルドでアルバイトをしています.
(縮)私も家の近くのスターバックスでバイトしています.
(佐藤)私は元々自分が通っていた塾で塾講師をしています.
(安野)ウェディングプランナーが夢だったこともあり,結婚式場でバイトしています.

航空宇宙工学科1年生の学生生活ってどんな感じ?

航空宇宙工学科での学びについて

※今回は,皆さん工房に参加されているので「未来博士工房」での学び(活動)について聞きました.

(高橋):私は衛星工房の山崎先生のグループで活動をしています.活動としては数人の班に分かれて,CanSat(カンサット)を開発し,直近では11月中に班同士での発表会に向けて最終仕上げをしている状況です.その後は3月に開催される種子島ロケットコンテストのCanSat部門に出場することを目指しています.工房活動はすごく忙しくて大変ですが,受験するきっかけにもなった衛星開発をやれている(やりたかったことができている)ことが嬉しいです.
(大野・佐藤・縮・安野):私たち4人は衛星工房の奥山先生のグループで活動をしています.コロナの影響もありまだ本格的な活動はできていませんが,夏休みに家でラズパイを使ってPythonのプログラミングの勉強をしていました.私たちのグループでは来年度に種子島ロケットコンテストや衛星設計コンテストなどに出場することを目標に活動をしています.後期も始まったので,授業後などに大学内での工房活動が本格的に始まりそうです.
(聞き手):工房活動で特にこんなことを達成したいみたいな目標はありますか?
(大野):ARLISS(アーリス)(※3)と呼ばれる国際コンペに出場してみたいです.
(佐藤):末端でもいいので実際の衛星の開発に携わり貢献したいです.
(縮):衛星に限らずチームで何か1つのモノを作って成功体験をしてみたいです.
(安野):宇宙に行く衛星を開発して打ち上げたいです.

航空宇宙工学科1年生の学生生活ってどんな感じ?

日本大学航空宇宙工学科の魅力は?

(高橋)未来博士工房も魅力的ですが,製図のような実習系の科目にも座学には無い魅力があると思っています.製図の授業では図面を手書きで仕上げるのですが,事前にたくさん予習をしないといけなかったり,図面の完成が提出時間ギリギリになったりと,最初はすごく嫌でしたが,書いて学んだことが工房活動で活かされたり,直接その場で先生方に指導をしていただくことで毎回気づきがあったりと,授業のたびに力がついているなと思えるようになりました.
(縮):個人的には自分から積極的に行動を起こせば,やりたいことを見つけられて実現できる環境が魅力的だと思います.例えば自分の興味があることについて,先生方に話を聞きにいくと今まで知らなかった面白い話が聞けたり,未来博士工房などの活動を通じて様々な経験を積めたり,夏休みには企業説明会に参加したりと,短期間でやりたいと思ったことがたくさんできました.他にも製図の授業を受けて,建築にも興味が湧いたので,先生に勧められた現代建築の博物館にも足を運んだりと,すごく視野が広がりました.

航空宇宙工学科1年生の学生生活ってどんな感じ?

将来の目標・夢は?

(佐藤):まだ模索中ですが,大変でもいいから楽しめる仕事をしたいですね.どんなことも自分が楽しめなかったら続かないと思うので,楽しいと思うことをやりたいです.
(安野):私も模索中ですが,工房や大学生活を通じてこれから見つけていたいと思います.奨学金を借りているのですがちゃんと奨学金を返して1人で自立した大人になりたいです.
(大野):やりがいのある大きな仕事に携わって社会に貢献したいです.社会に大きな影響を与えることをやってみたいですね.
(高橋):衛星を開発して打ち上げたいです.自分が携わったものが宇宙に行って未知を解明したり,衛星開発じゃなくても毎日ワクワクするような仕事をしたいです.
(縮):最初は宇宙に関わる機械を設計したいという漠然とした思いがありましたが,最近興味が湧き始めた建築と宇宙を合わせた,宇宙構造物のようなものをやってみたいです.

入学を目指す高校生へ

(縮):高校生の頃から自分がやりたいことを一生懸命しっかり考えた方がいいなと思いました.将来自分がどんなことをしたいか,自分がやりたいことは何だろうということを考えて,色んな活動に参加したり,色んな人に出会ったり,経験をすることが凄く重要だと思います.
(高橋):高校生って吸収できるものが多い時期だと思うので,色んなことにチャレンジする姿勢を大事にして欲しいなと思います.チャレンジをすることで何か必ず学びや気づきがあって,経験を積むことができるので,そのようなチャンスがあったら挑戦することをぜひ大事にして欲しいです.私はAO入試で受験をしたのですが,高校時代のそのような経験が活きて合格できたと思っています.
(佐藤):学科のことに関して言えば,いい人たちに恵まれたなというか,優しい人がいっぱいいたことと,思っていたよりも女子が多くて安心しました.

  • ※1
    学科の衛星開発の歴史動画:https://www.youtube.com/watch?v=8bKNlab4es8
  • ※2
    未来博士工房:理工学部には7つの工房があり,航空宇宙工学科では航空宇宙工房を担当している.航空宇宙工房では人力飛行機を代表するような6つの活動を行なっており,普段の授業だけでは物足りない,もっと何かがしたい,と思う学生向けに課外のプロジェクト活動を通じて授業以上のことを経験できる場として開設されている.
  • ※3
    ARLISS:「A Rocket Launch for International Student Satellites」の略.空き缶サイズの超小型人工衛星のCubeSatをサブオービタル(大気圏内)軌道に打ち上げて,目的地に自律して降りる(or走る)ことを競うコンペティション.アメリカネバダ州のブラックロック砂漠で開催される.