てんこう2

地球低軌道環境観測衛星「てんこう2」

私たち奥山研究室が開発している「てんこう2」は、低軌道上で様々な環境観測や、次世代通信機の宇宙実証など、今後の宇宙開発において有益なデータを取得することを目的とした超小型人工衛星です。

種子島宇宙センターから打ち上げられる予定で、JAXAが開発した初のHTV-Xロケットに搭載されます。

Ten-Koh 2 Concept of operations

主なミッション目的

  • リニアトランスポンダの連続動作(2日間)

時間を制限して運用されることが多いリニアトランスポンダを最大2日間の連続運用を目指します。連続運用を行うことで、世界中のアマチュア無線家が本衛星のデータを取得できるなどの利点があります。

  • イラスト・音楽・映像データのダウンリンク

本衛星では大学衛星としては例の少ない、宇宙エンターテインメントを企画しています。日本大学芸術学部と共同でコンテンツを作成し、宇宙開発やアマチュア無線技術の身近さを多くの人に感じてもらうことを目的にしています。

  • マイクロ波帯通信技術の実証

使用実績の少ないマイクロ波帯を用い、CWビーコン通信を行うことで、マイクロ波帯衛星通信方法確立と普及の促進を目的としています。

  • 高速データ転送の技術実証

本実証では、JAMSAT(日本アマチュア衛星連盟)が開発した高速データ通信機を使用します。4FSK 38.4kbpsでの通信で、いかに早くデータを伝送できるか、理論値との誤差がどのくらいなのかを実証いたします。主要なミッションデータは本通信機を用いてダウンリンクいたします。

成功大学カメラペイロード開発チームが開発したカメラを搭載いたします。本カメラでは、いくつかの撮影パターンでの写真の撮影、ダウンリンクを行います。

  • 先端宇宙材料の宇宙環境劣化の観測

先端宇宙材料を搭載し、ひずみセンサーなどの様々なセンサーデータから、材料の劣化について観測します。

  • 高エネルギー荷電粒子検出器によるジオスペース観測

荷電粒子計測器(Liulin)を搭載し、深宇宙からの荷電粒子を観測します。

衛星仕様

 30×20×10(cm)の6U衛星になっています。周囲には動作電力の供給のための太陽電池セルを搭載します。本衛星には構造部、熱制御部、衛星制御部、電源部、通信制御部、およびミッション部から構成されています。

本衛星のRadiation patterns と Link Budget となります。

https://drive.google.com/drive/folders/109MJRoTEOFZK-9U7pwffgOc1BjzoCIr0?usp=sharing